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労働者派遣法改正法(平成24年法律第27号)の概要


 本年10月1日に施行となった労働者派遣法改正法の改正の概要は、大きく分けて下記の3点です。

 

1.事業規制の強化

①日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止(適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務の場合、雇用機会の確保が特に困難な場合等は例外)

②グループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止


2.派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善

①派遣元事業主に、一定の有期雇用の派遣労働者につき、無期雇用への転換推進措置を努力義務化

②派遣労働者の賃金等の決定にあたり、同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮

③派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化

④雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示

⑤労働者派遣契約の解除の際の、派遣元及び派遣先における派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の支払いに要する費用負担等の措置を義務化


3.違法派遣に対する迅速・的確な対処

①違法派遣の場合、派遣先が違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす

②処分逃れを防止するため労働者派遣事業の許可等の欠格事由を整備


 特に影響が大きいのが、「1.事業規制の強化」の②だという事業所も多いのではないでしょうか。これについてもう少し詳しく説明します。


 これは、同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占める「グループ企業派遣」について、「第二人事部的なものであり、需給調整機能を果たさない面」がある、「本来直接雇用する者を派遣として、労働条件を切下げ」ている実態がある、などの問題点が指摘されていました。そのため今回の法改正では下記のように規制されました。


【規制①】「グループ企業(親会社及び連結子会社)内の派遣会社が一の事業年度中に当該グループ企業に派遣する割合(定年退職者を除く)を8割以下に」

※派遣割合は労働時間で計算。また、定年退職者は算定から除外

※また上記に関しては『派遣元事業主に対して、事業年度終了後3ヶ月以内の「グループ企業内派遣の派遣割合」の報告』も義務化されているので注意が必要


【規制②】「離職した労働者(定年退職者を除く)を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止」

※定年退職者は禁止対象から除外

※派遣元事業主の義務として「離職した労働者を離職後1年以内に離職前事業者へ派遣労働者として派遣することを禁止」と同時に、派遣先の義務として、「また、派遣先となる事業者が離職後1年以内の労働者を派遣労働者として受け入れることを禁止」も定められているので注意が必要


 今回の改正では派遣元だけではなく、派遣先にも規制をかける内容ですので、派遣労働者を受け入れる事業所も法違反リスクを考慮した法改正対応が必要です。



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